はじめに
太平洋に浮かぶ7000以上の島で構成されているフィリピンは1956年にアメリカから独立した国です。飛行機を降りるとそこはもう常夏の島、甘い果物の香りが「フィリピンに来たなぁ」と実感させてくれます。
フィリピンといえば、現地のハンバーガーチェーン「Jollibee」ですが、ハンバーガーもいいんですけど、フライドチキンが個人的なおススメです。未だに世界の王者マクドナルドがフィリピンでは勝てない相手とか。もしフィリピンに行く機会があれば、ぜひお試しください。
さて、少々脱線しましたが、フィリピンもまたシンガポールと同じく英語がよく話されています。それもそのはず、フィリピンの公用語はフィリピン語と英語だからなんです。そして、やっと日本では2020年から小学校で英語が必修科目になるのに対して、フィリピンではすでに小学1年生から英語教育が行われいます。
「じゃ、もう一緒だね」と思われた方、実はちょっと違っています。フィリピンではほぼすべての小学生が「英語」で授業を受けているんです。だから、英語は必修科目ではなくて、最低限の「言語」という位置付けなんです。
そんな南国の島フィリピンにも、歴史的そして文化的背景を元に独自に進化した英語が存在します。今回は、フィリピンでしか出会えないちょっと変わったユニークな英語10選をお伝えします。
Volcanizing shop
実は「volcanizing」という英語は存在しませんが、「volcanic」(火山)から作られた単語です。ただし、火山に関するお店ではなく、ただの車の修理屋や工場を指します。
例文 My tires are punctured, I need to go a volcanizing shop now! 僕のタイヤがパンクしちゃったから、修理店に行かなくちゃいけない。
Dirty kitchen
「Dirty kitchen」をそのまま訳すると「汚いキッチン」となります。が、フィリピンではまったく違う意味として使われます。
例えば、自宅であっても外にあるキッチンや母屋にないキッチンを指します。これは、火を使うキッチンを母屋から守ったり、炭や油で家を汚したくないためです。
そして、この「Dirty kitchen」は他にも複数人が共同で生活する建物に1つだけあるキッチンのことや、工事現場など簡易的に作られた労働者が食事をするキッチンのことを指します。
例文 It's almost 12 o'clock, time to have a lunch. Let's go to the dirty kitchen! もうすぐ12時だ、ランチの時間だね。食堂に行こうぜ!
Dirty ice cream
「Dirty ice cream」はアメリカ英語のスラングとしての意味もあるので、誤解を招かないように両方紹介します。
アメリカ英語の場合
ある男女が初めてデートしたとします。2人ともお互いの印象も良くて、デートは大成功。しかし、デートの後日に片方がとってもしつこく何度も電話やメールをしてきて、もう片方はその執拗なまでの連絡にもううんざりな気分の時、その相手に対して「Dirty ice cream」と使います。
Taglishの場合
「Dirty ice cream」とは、昔からフィリピンの路上などで販売されてきた手作りアイスクリームのことです。アイスクリーム自体は「Sorbetes」というスペイン語由来の名前も持っているのですが、なぜか「Dirty ice cream」が定着しています。
例文 Hot summer reminds me a dirty ice cream. Where can I buy? 暑い夏は懐かしい昔のアイスクリームを思い出させてくれるよね。どこで買えるかな?
Kodaki
「Kodaki」という英単語は存在しませんが、アメリカの大手写真用品メーカーのKodak(コダック)から派生した言葉と言われています。ただし、「Kodaki」は会社ではなくて、「写真を撮る」ことを表します。
例文 Hello, can you dodaki? こんにちは、写真撮ってもらえる?
Mineral water
「Mineral water」はまさにミネラルウォーター、日本でも普通に使う言葉です。一般的には、飲料水メーカーがきちんとした殺菌や不純物の除去を行いパッケージ化して売られていますが、ここフィリピンでは主に路上でプラスチックやガラス容器に入れた蒸留した水のことを差します。
ちなみに、フィリピンの水道水は日本の品質とは異なり、直接飲むことは推奨されていません。なぜなら、フィリピンの水はかなりミネラルの多い硬水だからです。硬水はマグネシウムがふんだんに含まれているわけですが、このマグネシウムは下剤にも使われる薬品なんです。
フィリピンの「Mineral water」はただ蒸留しただけの水ですが、少なくとも水道水そのままではないので、水に敏感な方は少なくともこの「Mineral water」、もしくはスーパーなどで売っている品質が保証されたお水を購入することを強くお勧めします。
例文 I forgot to bring my water bottle, I will buy mineral water over there. 水筒忘れちゃった、あそこでミネラルウォーター買ってくるね。
Double deck
「Double deck」を直訳すると2つあるデッキと訳されます。が、ベランダなどにあるデッキが2つあるわけではありません。
フィリピンでは、「Double deck」は日本でいう二段ベッドのことを表します。
例文 I thought I have own room for new house, but when I checked my room, it has double deck... 新しい家では自分だけの部屋をもらえると思っていて、部屋をチェックしたら二段ベッドがあったよ。
High blood
「High blood」を直訳すると高い血、一般的には血圧が高いのかな?と思います。が、フィリピンでは感情を制御できない人、もしくは些細なことで怒る人のことを表します。
例文 My mother is high blood every morning! 僕の母は毎朝怒ってるよ。
Ice drop
「Ice drop」を直訳すると落ちる氷となりますが、「drop」には飴という意味もあるので、氷の飴とも理解することができます。そう、フィリピンではアイスキャンデーのことを「Ice drop」と表します。
例文 Today was very hot, so I had 10 ice drops. 今日は暑かったから、10個もアイスキャンデー食べちゃった。
Live-in
「Live-in」を直訳すると、誰かと住んでいることを意味します。例えば、職場が提供する住居などに複数人で住み込みとして住んでいること、また既婚・未婚に関わらずカップルが同棲していることを表します。
それに対して、フィリピンでは「Live-in」は非常に明確に未婚のカップルが一緒に住んでいることを表します。
例文 I started new life, live-in girlfriend! 新しい生活始めたよ、彼女と同棲してるんだ。
Comfort room
「Comfort room」を直訳すると心が落ち着く部屋となります。一部では休憩室と訳されますが、フィリピンではトイレのことを表します。
確かに誰もいない空間だし、ある意味一番落ち着ける場所という意味で合ったいる気もしますよね。
例文 Excuse me, may I go a comfort room? すいません、トイレに行ってもいいでしょうか?
まとめ
フィリピンのTaglishいかがでしたか?英語を知っている人ほど、「え、何この英語?」と驚かれたのではないかと思います。
最初は少し戸惑うことがあるかもしれませんが、人懐っこくてとても優しい人ばかりなので、ぜひTaglishを使って喜ばしてあげましょう。
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