はじめに
英語を使ってビジネスする方で、スラングはInformal(インフォーマル:非公式)だし、あまり仕事場では使わないほうが良いと思われていませんか?
確かに「スラングとイディオムの違い」では、スラングが非公式であり、一般的に仕事場では使われない傾向が強いとお伝えしました。しかし、スラングの中には英語のビジネスシーンで頻繁に登場する言葉もあることも確かです。
今回はそんなスラングだけど、英語のビジネスシーンで使えるスラング英語をお送りします。
ビジネス英語で使えるスラング
スラングでもビジネスシーン、例えば同僚との議論や会議の場でも使える言葉はあります。今回はそんんスラングを11個厳選してお伝えします。
Low-hanging fruit
「low-hanging fruit」とは、達成しやすい目標とか苦労や時間をかけなくてもすぐに完遂できる施策を意味します。
リンゴや果物が高い木の上に生っている場合には、収穫するために色々な準備や労力が必要されるますが、その果物が低いところにあれば、すぐにそして簡単に収穫できるところからこのスラングがきています。
We must improve our company’s performance! Is there any good idea?
僕らは会社の業績を上げなければいけない。何か良い案はあるかい?
I fully agree! First of all let’s focus on our productivity. We have too many meaningless meetings, and it’s a low-hanging fruit.
僕も賛成だよ。まず最初に僕らの生産性に着目したいね。僕らはあまりにも多くの意味のない会議があるし、これはすぐに簡単に始められるよ。
Leverage
「Leverage」とは、物事を最大限に利用することを意味します。
本来は、小さな力で物事を動かす(てこの原理)、物事に影響力を行使する意味がありますが、スラングの「Leverage」は「Utilize」に近い意味合いがあります。すでにある資源やモノを最大限に活用して、もっと大きな目標を達成する際に用いられます。
Have you heard any new company’s strategy today?
君はもう会社の新しい経営戦略を聞いたかい?
Oh yes. They will leverage current human capital to increase company’s performance.
ああ、彼らは今ある人材を活用して会社の業績を上げるってよ。
Which means…. we just need to work harder.
それって、つまり俺たちもっと仕事しろってことじゃん。
Giving 110%
「Giving 110%」とは、数字が物語っている通りすべて(100%)そして、それ以上を意味します。
スポーツにまつわる映画で使われているのを見たことがあるように、論理的な思考ではなく、精神論に近いです。「お前ならもっとできる」みたいな台詞と合いそうです。
しかし、労働環境が整った仕事場ではあまり使われないスラングかもしれません。なぜなら、誰も100%以上に働くことはできないからです。その現実と矛盾したことをあえて皮肉として使われることはありますが、使い方そして使う相手は慎重に考慮したほうがいいでしょう。
How is your new project going?
君の新しいプロジェクトはどんな具合?
Well, not so good. My boss told me If I give 110% to this project, the project may succeed, but it’s just percentage, right?
うーん、あんまり良くないよ。上司に君が100%頑張れば、プロジェクトは成功するかもって言われたけど、ただの数字の割合じゃん。
Out of Pocket
「Out of pocket」とは、オフィスを退席もしくは居ないことを意味します。
ただし、「Out of pocket」何かしらかの支払いを自分の資産から払う、つまり自腹で払うという意味もありますから、使わる状況を考慮して意味を理解しましょう。
I should have a performance report from Mike before his holiday. I check with him by sending mail.
僕はマイクから休暇前に業績レポートをもらうはずなんだけど。メールで確認してみよう。
I’ll be out of pocket this week. You can reach out to my assistant with any urgent requests.
私は退席しています。急用などはアシスタントにご連絡ください。
Oh no…
あちゃー。
Drink the Kool-Aid
「Drink the kool-aid」とは、特定のグループの偏った方針を意図して、もしくは誤って盲目的に支持してしまうことを意味します。
実は、「Kool-aid」自体は本当にあった飲み物なんです。日本の駄菓子屋さんでも売っているような液体もしくは粉末状の安価な子供用のジュースですが、1978年にアメリカのカルト集団の教祖が教団の運営で立ち行かなくなったため、900人以上の信者と共に「Kool-aid」に毒物を混ぜて集団自殺を図りました。この凄惨な悲劇の後に、不運にもこの「Kool-aid」はスラングとして今でも語り継がれています。
I met a guy yesterday at bar and kindly offer stock investment consultation.
昨日飲み屋で男と合ったんだけど、彼が親切にも株投資を指南してくれるって提案してくれたよ。
Oh, don’t drink the kool-aid!
おいおい、そんなの鵜呑みにするなよ。
Bio Break
「Bio break」とは、トイレ休憩を意味します。
「Bio」とは「biological」生物学的から来ています。要は生理現象のための休憩を意味します。
There is one more topic we need to conclude in this meeting…
あと一つ結論を出さない行けない議題があるけど…
May I propose 10 minutes bio break?
10分の休憩を提案してもいいですか?
Tiger Team
「Tiger team」とは、特定の問題を解決するための専門チームを意味します。
この「Tiger team」は、あの有名なNASAの月面着陸アポロ計画の3度目の有人月飛行アポロ13の際に命名されたチーム名です。各分野の専門家が集められ、考えうるありとあらゆる問題を想定・分析して宇宙飛行士を支援しました。
This issue is getting hot topic and it has been escalated from our client. We must do something.
この問題は問題視され始めていて、顧客からもクレームがきた。僕たちでなんとかしなければ。
Yes, I fully agree! let’s make the tiger team and accelerate issue analysis!
うん、同意だよ。特別編成チームを作って、問題解析を加速させよう。
Idea shower
「Idea shower」とは、様々な新しい案を発案して議論することを意味します。
同義語としては、他にも「brain storm」や「thought showers」などがあります。最近では、「brain storm」がてんかんの患者に対する差別的用語として取り上げられた影響を受けて、一部の企業では使用をしないようにと勧告しています。
What is the shortest way to find the solutuon for this issue?
この問題の解決策を見つけるための最短の方法は何だろうか?
I think we should first of all do idea shower.
まずは様々な案を出し合いませんか?
Moving the Goalposts
「Moving the goalposts」とは、当初期待されていたプロジェクトや業務の目標をより達成するのが難しい状態にすることを意味します。
サッカーなどの競技から派生した言葉です。定められたプロセスや規則(ゴール)などを相手に都合の良いように故意に変更することで、状況や目標としていたゴールが達成しにくくなる、困難になります。
確かに、サッカーの試合で相手ゴールが勝手に動かされたら、攻めたくてもどこに攻めればいいのかわからなくなりますよね。
I thought we should have completed this project by today.
この案件は今日までで完結していなければいけなかった。
I understood. But the client keeps moving the goalposts.
わかってる。しかし、顧客が条件を変え続けてるからね。
Drill Down
「Drill down」とは、特定のことについてより詳細を調査することを意味します。
工事現場の穴を掘るドリルのように、非常に狭い範囲を効率的に掘り下げていくことから、このスラングは派生しています。
I have a weekly report for the project, but it does not tell us what wrong is.
僕は週レポートを持ってるれど、このレポートだと何が問題なのかわからないね。
OK, let me drill down into the details.
わかった、僕にもっと詳細を調べさせて。
Gain Traction
「Gain traction」とは、進行中のプロジェクトなどに新たな何かしらかの力が加わり進捗が進行することを意味します。
This project has been progressing not well. Do you have any solution?
このプロジェクトは進捗が思わしくないね。何か解決策はあるかい?
Yes, I have escalated to the management, and new experts so we already gained traction!
うん、僕が経営層に伝えたよ、そしたら新しい専門家を得られたから、進捗も弾みが付くと思うよ。
まとめ
ビジネスでも使われるスラングはいかがでしたか?すでに英語を使って仕事をされている方には使ったことがある言葉もあったかと思います。
スラングと聞くとどうしてもビジネスなど公式の場では使えないイメージがありますが、職場の同僚同士や内部会議などでは多用されているのが現実です。そして、スラングだからこそ自然な言い回しで周りが理解してくれますから、ぜひ活用してみてください。
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